準備の天才、中田英寿 -05/23/2023-
今日見た映像で、自分も記憶しておくべきとてもいい教訓を得られた。
成功へのヒントとして一生ものとなること間違いないので、ここに記載しておく。
物語は、プロサッカー選手の財前選手と中田選手の若き時代から始まる。
彼らは同年代で、U-17日本代表に選ばれていた。今から見れば、スーパースターの中田英寿と、財前という無名のプロ選手であるが、当時の立場は逆であった。
財前は稀代の天才プレーヤーで、中田は技術のない平凡なプレーヤーであった(当時はプロを目指しておらず学業と両立していたらしい)。
ではなぜ10年後、二人はこうも差がついてしまったのか?
その大きな転機は、「海外移籍」である。
まずは財前、その才能から海外スカウトに目を付けられ、中田より早く海を渡った。
ある日の練習中彼は怪我を負い、試合を休まざるを得なくなった。そのことを監督に伝えようとしたが、彼は現地の言葉がほとんどしゃべれれなかった。そのため、「痛い、試合、休む」のような伝え方しかできなかった。当然監督は、彼はやる気がない、と憤慨し、その後しばらく試合に出してもらえなかった。この経験から、彼は怪我をしても申告せず、無理して練習に出るようになった。
そしてついに、疲労の蓄積がたまり、左前十字靭帯断裂という全治8か月の大けがを負ってしまう。
スタメンでもなかった彼は解雇され、日本に戻るも、この怪我を2度も再発することになる。スポーツをやっていて大けがを負った経験がある方ならわかると思うが、実戦から長く離れると、感覚を取り戻すことがとても難しい。
この経験を3度もした財前は、かつての技術力を失い、選手として失墜していくこととなる(ベガルタ仙台で並の選手レベルにはキャリアを続けた)。
一方の中田英寿は、財前に送れてイタリアのチームに移籍。
しかし彼は財前とは違った。すでにイタリア語を勉強しており、記者会見なども難なくこなせるレベルであった(入団会見ではイタリア語でジョークを飛ばす)。
彼のその後の活躍は皆の知るところではあるが、成功できた要因は当然、語学堪能であったことだけではない。
中田はインタビューでこう語っている。
「何を一番頑張ったかって、考えることなんですよ。」
練習の際も、どうしたら自分よりうまい選手に勝てるのか、練習中も前後も、突き詰めて考えて、試行錯誤を何度も何度も繰り返したのだ。だから試合で活躍できるようになっていった。
こうやって異国の地で成長を遂げていくわけだが、当然、中田はイタリアに渡るより前に、「あっちで活躍するには今日本で何をするべきか」を考えたはずだ。
そう、語学や体作り、全部準備して、渡るべくして渡ったのだ。
彼は準備の天才である。
中田は技術の天才出なかったからこそ、必死に考え抜き、ライバルに追いつき追い越したのである。これは、ピッチのパフォーマンスだけを見ている人にはなかなかわからないだろう。
話を戻すが、事前に頭を使って考え、準備をして海外に旅立ったかが二人の明暗を分けたのである。
個々での教訓は二つだ。
①目標をやり遂げるには、とにかく頭を使って考えること。
②事前準備の大切さを知ること。
準備をするということは、ただ本番でベストパフォーマンスを見せるという目的だけではない。その本番で、またはその本番の次の芯の目標で、自分は何を成し遂げたいのか、自分の頭で確認するのだ。
何かをきついことをするとき、その意義が見えないと、途中でへたってしまうだろう。
なぜ自分はこの作業をしているのか、この作業は自分に何をもたらすのか考えることで、こなす速度とそこから得られる経験は何倍にもなる。
僕は8月からアメリカに留学する。その前に、行く意義、やりたいこと、卒業後、すべてのことを徹底的に何度も何度も練り直して、完璧な事前準備をしようと思う。
そして、最大限、この留学という大きな挑戦を活用して、自分を成長させていこうと思う。
中田英寿のように。
05/27/2023 Shibayu-
ディスカッション
コメント一覧
まだ、コメントがありません