ゼロマージナルコスト
マージナルコストとは、日本語で「限界費用」と呼ばれるもので、サービスやプロダクトにおいて、一単位を追加するのにかかる費用を表す。
農業や製造業では、このマージナルコストは、需給のバランスに基づいて決定される。
ただ、インターネットの出現によって、ゼロマージナルコストという概念が普及した。もともとは、ラジオを用いたメディア広告が発端である。
例えばネット広告産業では、一つ電子広告を作ってしまえば、それを一人が見ようと1万人が見ようと、費用は変わらない(映画や航空産業などもゼロマージナルコスト型の商売である)。
そしてゼロマージナルコストを活かした広告産業は、テレビなどのマスメディアを用いた数打ちゃ当たる作戦から、消費者ごとの傾向を見極めて狙い撃つターゲット型作戦に移行した。
この形は、Googleの検索連動型広告が先駆けとされ、ユーザーの検索の傾向に基づいて、適切な広告が表示されるようになる。
これによって一広告当たりの収益率が大幅に向上し、インターネット上の利便性の高いサービスそのもので稼ぐより、それを無料で提供してサービス上に広告を掲載することで収益を上げる形に移行した。
ただターゲットマーケティングが強くなりすぎた現代では、問題が起きている。
上記のようにターゲットマーケティングではネット上で検索・閲覧履歴からユーザーの興味や消費傾向を分析し、広告を掲載するが、今では、ユーザーの思考や行動を誘導するような手段が見られるようになってきている。
人は元来自分の意見と合致するような意見を好んで閲覧し、反対の立場を激しく非難するような意見に共同する。
この特性を狙って、ユーザーの思考が自社の利益になる方向へ半強制的に誘導していくのだ。
これは民間意見の分断を深め、ユーザーをある意味掌握する驚異的な手段であるため、何かしら手段を講じる必要がある。
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